第21回日本ミトコンドリア学会年会(J-mit)での口頭発表に関するお知らせ

細胞内小器官であるミトコンドリアを新しいモダリティとして開発するバイオテクノロジー企業のルカ・サイエンス株式会社(以下、ルカ・サイエンス)と共同研究者は、2023年3月16日から18日まで、日本東京で開催される第21回 J-mitで口頭発表されることをお知らせします。

ルカ・サイエンスは、3月16日(木)17時からiMIT法(Intact Mitochondrial Isolation Technology)により単離したミトコンドリア(Q)の特徴について発表します。また、ルカ・サイエンスの発表に続き、3月17日(金)9時から共同研究者である大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学の中井りつこ先生が、Qによるミトコンドリア機能欠損の動物モデルにおける治療効果について発表します。

発表内容は以下の通りです。

1.     i-MIT法により作製した単離ミトコンドリアの特徴

本発表では、従来法で回収したミトコンドリアと比較して、Qは高い品質を保ったまま凍結保存できることを明らかにしました。凍結保存・解凍後でも、Qは高いATP産性とmtDNAを示し、外膜・内膜の完全性が保たれていることが確認されました。また、蛍光標識したQは培養細胞に添加すると2-4時間後には細胞に十分に到達されることが確認された。

 

2.     ミトコンドリア病Leigh症候群に対する新規治療方法の開発

本発表では、ミトコンドリア複合体Iが欠損したLeigh症候群モデルマウス(Ndufs4 KOマウス)にHeLa細胞由来のQを経静脈的に投与したところ、投与群で有意的に神経学的症状の改善と生存期間の延長(対照群:53日、移植群:78日)を認めた。

一般に、Ndufs4 KOマウスは、脳内の慢性的な炎症によって痙攣を惹起し、呼吸不全によって生後50〜70日目に致死である。Ndufs4 KOマウスの小脳を解析したところ、異常なミクログリア細胞が増生し、かつ、活性化していた。以上の結果より、QはLeigh 症候群に対する新たな治療戦略の可能性を見出した。

こちらの発表により中井先生は日本ミトコンドリア学会より「若手優秀演題表彰」を受賞した。

 

第21回J-mitの詳細はこちらをご覧ください。

https://www.jmit21.com/

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